柔道整復師は、骨折や脱臼、捻挫などの怪我に対して、手術や薬を使わず、患者さんの自然治癒力を最大限に引き出す治療を行います。
国家試験に合格することで、接骨院や医療施設、介護現場から、スポーツトレーナーなど様々な職場で働くことができます。
この記事では、柔道整復師の給料・ボーナス・退職金や、やめとけと言われる可能性がある5つの理由、口コミ・評判、将来性などについてわかりやすく解説します。
柔道整復師の給料・収入・平均年収
厚生労働省が公表している「令和3年度賃金構造基本統計調査」によると、柔道整復師の平均年収は423万円ほどとなっています。
・平均年齢:37.7歳
・勤続年数:8.6年
・労働時間/月:162時間/月
・超過労働:11時間/月
・月額給与:299,800円
・年間賞与:636,100円
・平均年収:4,233,700円
国税庁の「令和元年民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は436万円ですので、日本の平均年収とほぼ同水準であることがわかりますね。
柔道整復師のボーナス
ボーナスがもらえるかどうかは、職種や企業の就業規則によって異なりますが、柔道整復師の場合、接骨院などの勤め先によって、ボーナスが支給されるケースとそうでないケースがあるようです。
厚生労働省が公表している令和3年度賃金構造基本統計調査によると、柔道整復師の平均ボーナスは64万円ほどとなっています。
街の個人経営の整骨院では、ボーナスの支給はなしのケースも少なくないようです。
求人サイトを調べてみたところ、多くの求人で賞与ありとなっていましたが、賞与なしの求人もいくつか見受けられました。
接骨院などの勤め先によってはボーナスが出ないところありますので、求人サイトを見る際は、月給だけでなく、ボーナスの有無も確認してみてくださいね。
柔道整復師の退職金
退職金ががもらえるかどうかは、職種や企業の就業規則によって異なりますが、柔道整復師の場合、接骨院などの勤め先によって、退職金ありのケースと退職金なしのケースがあるようです。
公的機関が公表している退職金に関する情報を調べてみましたが、柔道整復師の退職金に関する情報は見つかりませんでした。
転職会議、openwork、ライトハウスなどの口コミサイトで、柔道整復師の退職金に関する口コミを探してみましたが、退職金に関する口コミは見つかりませんでした。
Yahoo!知恵袋の現役柔道整復師さんや元柔道整復師さんの回答によると、小さな接骨院では退職金は出ないところが多いようです。
参照:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12174008782
中規模以上の企業なら退職金が出るところも多いので、求人サイトを見る際は、月給、ボーナスだけでなく、退職金の有無も確認してみてくださいね。
なぜ柔道整復師はやめとけと言われることがあるのか5つの理由
なぜ柔道整復師がやめとけといわれることがあるのか、以下のような理由が考えられます。
給与・待遇が低い
柔道整復師の給与は、理学療法士や作業療法士と比べて低いと言われています。また、残業が多く、休日出勤や夜勤も多いため、労働環境が悪いとも言われています。また、残業や休日出勤が多いのに、残業代や休日出勤手当などが不十分な場合があるため、待遇に不満を持つこともあるようです。
職場環境が悪い
柔道整復師の就職先は、クリニックや整骨院など小規模な施設が多く、職場の人間関係などでストレスを感じることあり、労働環境が悪いことが問題視されています。また、労働時間が長く、休暇が取りにくいこともあるため、ストレスがたまりやすく、精神的な負担が大きくなることがあります。
専門性の低さ
柔道整復師は理学療法士や作業療法士と比べると、専門性が低いと言われることがあります。柔道整復師が専門的に扱える疾患や障害には限りがあり、その範囲は理学療法士や作業療法士に比べて狭くなっています。また、柔道整復師には短期間の研修で資格が取得できるため、専門性に差が出てしまうこともあります。そのため、患者からは信頼されにくく、他の医療従事者からも尊敬されにくい傾向があります。
将来性の低さ
柔道整復師は、医療費の抑制や保険制度の改正により、診療報酬が下がっているため、将来性が低いとの意見があります。一方で、高齢化社会においては、疾患の予防や健康増進に関するニーズが高まっているため、柔道整復師がその役割を担うことも期待されています。また、スポーツやトレーニングにおける怪我の予防や治療にも柔道整復師が求められることもあります。将来性が低いという見方はあるものの、適切なマーケティングやスキルアップにより、柔道整復師としてのキャリアを積むことができる可能性は依然としてあります。
転職が難しい
勤務形態や給料・待遇などに不満を持つ人が多く、業界内で転職する人も多いのですが、病院やクリニックでは理学療法士や作業療法士のほうが専門性が高いと評価される傾向があるため、転職が難しいケースもあるようです。
以上のように、柔道整復師にはやめとけと言われることがあるかもしれませんが、それでも患者さんの痛みや不調を和らげることにやりがいを感じる方も多くいます。将来性を見据え、スキルアップや自己研鑽に努め、柔道整復師の専門性を高めることで、多くの人々を健康で幸せな生活へ導くことができるはずです。
柔道整復師は頭が悪いとなれない?
柔道整復師って、頭が良くないとなれないって本当?私、勉強が苦手で不安になってきた…
そんなことはありませんよ。確かに、柔道整復師になるためには一定の知識や技術が必要ですが、それは勉強や実習を積むことで身に付けることができます。
でも、他の医療職に比べて資格取得までの教育期間が短いと聞いたことがあるんです。それって、専門性が低くて頭が良くなくてもできる仕事ってことじゃないですか?
それは誤解ですよ。実際に、柔道整復師の国家試験はそれなりに難しく、合格率は低いです。また、柔道整復師は体の構造や機能、運動学などについて深い知識が必要であり、それを応用するためにも高い思考力や判断力が求められます。
なるほど、それはすごいね。でも、それらの知識を全て頭に詰め込むのは大変そうだけど。
確かに、柔道整復師になるためには、勉強や実践が必要だけど、それは他の医療職と同じですよ。理学療法士や作業療法士と比べると、比較的簡単に受かるという口コミもありますし、熱意を持って根気強く取り組めばきっと合格できるはずです。
なるほど、柔道整復師はただの体を揉むだけじゃなく、多くの知識と技術が必要なんだね。根気強く勉強や努力をすることが大事だということですね。
そうですね。柔道整復師になるには、高い知識と技術を持つことが求められるけど、その分、患者さんに対して専門的なアプローチができるようになります。柔道整復師は常に最新の情報や技術を学ぶことが求められるから、専門知識を磨き続けることが必要なんですよ。
柔道整復師の将来性・今後の展望
高齢化が進む日本では、柔道整復師は介護の現場でますます重要な役割を求められ、今後もますます需要が高まると予測されます。
従来、柔道整復師と言えば、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などのケガに対して、薬や手術を必要としない「非血栓療法」のみを行うという印象が強い職業でした。
しかし、最近では、介護施設や病院、スポーツセンターなどでのリハビリテーションに理学療法が重要視され、機能訓練指導員やスポーツコーチとして活躍する機会も増えてきました。
その結果、柔道整復師の需要が拡大し、柔道整復師を目指す人数や施術所の数がどんどん増加しています。
厚生労働省の『平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況』によると、柔道整復師の人数は、平成20年では43,946人から平成30年では73,017人と29,071人も増加しています。
さらに、施術所の数は、平成20年では34,839ヶ所から平成30年では50,077ヶ所と15,238ヶ所も増加しています。
手に職をつけたいと多くの人が柔道整復師を目指すようになり、柔道整復師の人数は増え続けています。
今後も柔道整復師の増加にともない、競争が激しくなることが予測されるため、より柔道整復師としての専門性やスキルを高めることが重要となってくるでしょう。
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