本記事では、バス運転手の平均収入、ボーナス・退職金、バス運転手はやめとけと言われることがある5つの理由、向いている人、向いていない人の特徴、将来性についてわかりやすく解説します。
バス運転手の給料・収入・平均年収
厚生労働省が発表した令和3年度賃金構造基本統計調査によると、営業用バス運転者の平均年収は、404万円ほどとなっています。
バス運転手のボーナス
厚生労働省の統計調査より、ボーナスは年間でおよそ2ヶ月分となっています。
バス運転手の月給は約30万円ほどですので、ボーナスは約60万円ほど支給されると考えられます。
バス運転手の退職金
バス運転手の退職金については、充実しているのは一部のバス業界のみで、あとは充実しているとは言えないかもしれません。
yahoo!ニュースの「路線バスの運転手、退職金250万円。平均の半分以下でも40代で早めに辞めた理由」の記事によると、 京成バスに中途入社し、路線バスの運転手として21年間勤務してきた坂田和博さん(仮名・48歳)の退職金は250万円。私鉄・バス12社の退職金の平均額は約573万円(自己都合の場合)となっています。
参照:https://news.yahoo.co.jp/articles/7902eddf6269971f838499531e65ca481b08f5ce
ですが、実際にバス運転手の求人情報を調べてみると、退職金の欄が空白だったり、どのような退職金制度があるのかの詳細が書かれていないことも珍しくありません。
ただし、民間のバス会社は退職金が期待できないかもしれませんが、路線バスなど運転手は公務員にあたることもあり、一般的に退職金が充実しています。
ドライバー業界全体を見た場合、高額の退職金をもらえるわけではありませんが、しっかり退職金の制度を残している会社も根強くあります。
しっかり退職金がもらいたいという方は、路線バスなど運転手を中心に検討してみる方が良いかもしれませんね。
なぜバス運転手はやめとけと言われることがあるのか5つの理由
なぜバス運転手はやめとけと言われることがあるのか5つの理由を考えてみました。
きつい割に給料が安い
バス運転手の給与は基本給が低めに設定されており、基本給+各種手当(走行距離手当・時間外手当・休日出勤手当など)で稼ぐのが基本です。
バス運転手は体力勝負の職業です。一日中運転できる体力が必要ですし、乗客の対応に追われるストレスにも対応しなければなりません。運転中は常に体を曲げているため、多くのバス運転手は腰痛に悩まされることもあります。
バス運転手の仕事は、こういったきつい業務である割には給料が低い問題があります。
乗車前後の点検や停留所などでの待ち時間などは給料にカウントされないため、実質的な勤務時間が長い割には給料が低いという問題が発生しています。
勤続年数20年以上のベテラン運転手でも400万台の年収と言われていて、決して低いとは言えないものの、仕事内容からしたら低めと感じる人が多く、すぐ辞めてしまう人もいるそうです。
拘束時間が長い
バス運転手は、年収が同水準の他の職業に比べて、求人数や就職・転職の難易度は比較的容易ではありますが、実質的な勤務時間が長く、休日出勤も頻繁にあるのが現状です。
路線バス運転手の勤務形態は、「休みは月に4日~6日」「1日あたりの拘束時間は10時間以上」「欠勤者が出た時には、代行出勤もあり」といった内容になっています。
バス運転手は1日13時間以上働かないことが法律で義務づけられています。
しかし、運転している時間以外は勤務時間として見なされないので、拘束時間が長くなってしまいます。停留所でお客様を待っている時間や案内をする時間は勤務時間としてカウントされないため、勤務時間は8~13時間でも、拘束時間は12~13時間以上になってしまうこともあります。
しかも、バス運転手の朝は早いことが多く、バスは始発から走り始めるので、早朝勤務の場合は、朝4時前に起きなければならないですし、そこから運行時間や待ち時間を合わせると帰宅するのは午前0時を過ぎることも多いです。
夜間勤務の場合は、夕方には出勤しないといけないですし、そこから運行時間や待ち時間を合わせると帰宅するのは朝9時ごろになったりします。
バス運転手の拘束時間は長く、プライベートな時間もなかなか取れない環境のため、やめとけといわれることがあるかもしれません。
ただ単に「運転手になりたい」からという理由だけでは、バスの運転手になってみたけど思っていたのと違ったということになりかねませんので、求人票を見る際は、年収や福利厚生だけでなく、勤務形態なども、しっかり確認したいですね。
トイレに行けない
バス運転手はトイレに行くのが大変だと言われることがあります。普段バスに乗っていると、バスの運転手がいつトイレに行くのか気になりますよね。
路線バスなどの運転手は、途中でトイレに行きたくなっても、バスを止めることができないので、運転中は我慢する必要があります。主に水分をあまり取らないなどの対策をして、運転中はトイレにいかなくても済むように努めることが多いようです。
トイレの我慢し過ぎは膀胱炎を引き起こすことになりかねませんし、水をあまり飲まないと脱水症状にもなりかねません。また、トイレに行きたくなっても、トイレに行けない、という精神的なプレッシャーもあるそうです。
時間厳守と命を預かる責任が重い
バス運転手は、乗客の命を預かる責任に加え、時間厳守の責任を担わなければなりません。路線バスや観光バスなどは、目的地への到着時刻が決められています。
もちろん、会社は無理のない移動時間を見積もっていますが、悪天候や不測の事態により、予定時刻に到着できないこともあります。そうなると、乗客からのプレッシャーを感じ、ストレスがたまることがあるかもしれません。
バス運転手は、大勢の乗客を安全かつ時間通りに目的地まで運ぶ仕事です。乗客の命だけでなく、同じ道路を走るすべての走行車、歩行者、自転車に乗る人などの命に対しても責任があります。
しかし、そんなプレッシャーの下でも、毎日しっかり安全運転を続けてこそ、本物の路線バス運転士と言えるのではないでしょうか。
ドライブレコーダーによる監視感
ドライブレコーダーは、「ドラレコ」とも呼ばれ、自動車の走行情報を記録するための電子機器のことです。
最近は「あおり運転」の影響もあり、普通自動車に搭載されることも一般的になってきています。
万が一、事故に巻き込まれた場合に証拠を記録することで証拠を残せたり、事故を未然に防いだりと役に立ちます。
しかし、バス車内の映像が記録されるということは、バス運転手の勤務時間中の行動も記録・監視されるため、それがけっこうプレッシャーとなるそうです。
バス運転手の将来性
都市や街で、移動手段として欠かせないバス。バスは公共交通機関の中で最も安価であることが多く、人口の高齢化に伴い、特に地方では、公共交通機関のネットワークを維持するうえでバスの役割がより重要になります。
バス業界は人手不足の傾向があるため、募集が多く、再就職がしやすく、長い期間働けるなど安定して仕事があるところも魅力です。
バス運転手の不足が懸念されており、一度に多くの乗客を乗せることができる「連接バス」や「自動運転バス」の開発が進められています。
将来、自動運転や人工知能がどれだけ進歩しても、バスの安全管理は人間の責任であるため、バス運転手の仕事がなくなる可能性はほとんどないでしょう。
バスの運転手は、会社やバスの種類(路線、高速、貸切など)によって働き方もさまざまななので、自分に合った会社を選ぶことが重要ですね。
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