施工管理はやめとけ?きつい、つらい?やりがいは?向いてない人の5つの特徴や将来性についてわかりやすく解説します。

施工管理はやめとけ?きつい、つらい?やりがいは?向いてない人の5つの特徴や将来性についてわかりやすく解説します。
  • きつい?
  • やりがいや魅力はある?
  • キャリアアップや将来性は?

施工管理は建築物の品質や安全性、コストや納期などを管理する重要な役割ですが、それゆえに多くの責任を伴う仕事でもあります。そう考えると、本当に施工管理で大丈夫かなあと感じるかもしれません。

でも実際は、施工管理にはたくさんのやりがいや魅力があります。自分の手がけた建築物が完成したときの達成感や喜びはひとしおですし、現場で様々な経験を積み、スキルや知識を身につけることができます。

さらに、施工管理は社会的にも評価される仕事であり、将来的にはキャリアアップのチャンスも広がります。

この記事では、施工管理の平均収入・ボーナス・退職金、やめとけと言われることがある理由、やりがいや魅力、向いている人、向いてない人の特徴、将来性などについて、わかりやすく解説します。

施工管理の給料・収入・年収

施工管理の年収は、求人サイトの統計から平均約400~約500万円といわれています。

施工管理の仕事は、実務経験を重ねるにつれて「資格なし」→「2級施工管理技士」→「1級施工管理技士」とステップアップし、将来的には約400万~約1,000万が見込めます。

国税庁の調査によると、日本の平均給与は436万円、建設業の平均給与は491万円ですので、施工管理の年収は「全体と比べると高めで、建設業の中では平均的」といえます。
参考:国税庁「令和元年分 民間給与実態統計調査」

施工管理のボーナス

ボーナスがもらえるかどうかは、職種や企業の就業規則によって異なりますが、施工管理の場合、多くの企業がボーナスを支給しているようです。

厚生労働省が公表している令和3年度賃金構造基本統計調査によると、柔道整復師の平均ボーナスは114万円ほどとなっています。

企業の就業規則によってはボーナスなしのところありますので、求人サイトを見る際は、月給だけでなく、ボーナスの有無も確認してみてくださいね。

参考:厚生労働省「令和3年度賃金構造基本統計調査」

施工管理の退職金

退職金ががもらえるかどうかは、職種や企業の就業規則によって異なりますが、建設業や施工管理の場合、企業によって退職金が出るケースと出ないケースなどさまざまなようです。

転職会議、openwork、ライトハウスなどの口コミサイトで、施工管理の退職金に関する口コミを探してみましたが、

  • 通常通りの退職金が出た
  • 本来より少ないが退職金が出た
  • 雀の涙くらいしか出ない
  • 退職金が出ない

など、企業によってさまざまなようです。

参考までに、少し範囲は広くなってしまいますが、東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)」によると、建設業の平均退職金は、高卒1,177万4,000円、大卒1,313万8,000円となっています。

参考:東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)」

施工管理の仕事内容と求められる能力

施工管理は建設工事の現場監督として、施工がしっかり行われているか管理する仕事で、効率的かつ安全に行われるように管理する責任があります。

具体的な仕事内容は、大きく分けて「工程管理」「安全管理」「品質管理」「原価管理」の4つがあります。

また、これらに加えて、行政への書類手続きなどのデスクワークや、設計者や業者との打ち合わせ、工事依頼主への対応も行います。

施工管理の5大管理

施工管理の仕事内容は、主に4つの流れがあり、品質、コスト、工程、安全の管理です。最近では環境の管理も加わって5大管理と言われています。

  • 品質管理(Quality)
  • 原価管理(Cost)
  • 工程管理(Delivery)
  • 安全管理(Safety)
  • 環境管理(Environment)

上記の5つの頭文字を取って、「QCDSE」とも呼ばれています。

それぞれ、わかりやすく解説しますね。

工程管理(Delivery)

工程管理とは、予算に応じて工程表を作成し、建設作業員の配置や重機の手配など日々の進歩状況を管理し、作業時間の調整を行うことです。

プロジェクトの設計に従って、いつ発注・搬入して、いつ作業するかなど工程表を作成し、必要であれば作業計画書も作成します。

着工後は、作業がない手待ち作業員がでないように、無駄なコストがかからないように、プロジェクトの適切な工程を検討し、工程表通りに作業が円滑に進んでいるか進歩状況をチェックします。

作業に遅れが出るような場合は、作業の場所や順番を変えたり、人員の配置を変えたりして、スケジュールが遅れないように調整をします。

品質管理(Quality)

品質管理とは、設計書や図面での規格・仕様どおりの品質かを管理することです。

建築に使用する材料の大きさや品質のチェック、設計書や図面での規格・仕様の確認などを行います。

また、完成した建物の強度や密度が規定を満たしているかどうかもチェックしていきます。

建物に不具合があったり、現場での作業で問題が発生したりすると、トラブルに発展する可能性がありますので、プロジェクトの品質を担保する役割が期待されます。

原価管理(Cost)

原価管理とは、建設プロジェクトで使用する材料費とや人件費のコストを計算し、予算内に収めることです。進捗状況を把握し、予算を超過していないことを確認するために、原価計算を行います。

予算と実際のコストに差がある場合、その差がプロジェクトの進捗状況によるものなのか、その他の要因によるものなのかを原価計算で確認します。

問題が生じた場合は、その原因を分析し、計画や工程を見直して軌道修正します。予算超過は企業利益の減少につながるので、重要な業務になります。

工程管理(Delivery)

工程管理とは、予算に応じて工程表を作成し、建設作業員の配置や重機の手配など日々の進歩状況を管理し、作業時間の調整を行うことです。

プロジェクトの設計に従って、いつ発注・搬入して、いつ作業するかなど工程表を作成し、必要であれば作業計画書も作成します。

着工後は、作業がない手待ち作業員がでないように、無駄なコストがかからないように、プロジェクトの適切な工程を検討し、工程表通りに作業が円滑に進んでいるか進歩状況をチェックします。

作業に遅れが出るような場合は、作業の場所や順番を変えたり、人員の配置を変えたりして、スケジュールが遅れないように調整をします。

安全管理(Safety)

安全管理とは、建設作業員や現場周囲の安全確保のため、環境や必要な設備を整える管理のことです。

建設工事において、安全管理は重要なポイントです。作業を開始する前に安全装置を設置し、環境を確認します。

また、作業員に危険な場所を周知し、事故を未然に防ぎます。

さらに、危険を知らせる看板を設置し、工事中のケガを防ぐことも必要です。建設現場は、経験を積んだプロであっても危険な場所です。

作業員が一歩間違えれば、ケガをしたり、滑って転んだりする可能性があります。近くにいる人がケガをしたり、滑って転んだりして、命を落とすかもしれない。これらすべてに気を配らなければなりません。

環境管理(Environment)

施工管理における環境管理には、「自然環境」「周辺環境」「職場環境」という3つの要素があります。建設工事を行う際には、これらの環境を適切に考慮する必要があります。

自然環境とは、土、地盤、水、空気などのことで、工事がこれらに悪影響を与えないようにしなければなりません。

周辺環境とは、騒音、振動、粉塵などのことで、これれらのクレームが発生しないような対策を講じなければなりません。

職場環境とは、作業員が現場で働きやすいよう環境を整えるなどのことで、ストレスなく働きやすい現場づくりが求められます。

最近では、これらの要素も施工管理にとって大切な役回りとなっています。

求められる能力

建設工事の現場では、規模が大きくなるほど、工事の内容は大きくなり、工程は複雑になり、多くの人が関わるため、全体を俯瞰する施工管理が重要な役割を担っています。

施工管理は未経験からでもなれますし、工事全体の流れを理解するためにも、現場で実務経験を積むことが重要になります。

また、土木、電気、配管などの業者と円滑に連携するためにも、各分野についての専門知識も必要になってきます。

建設工事の現場監督として全体を指揮する立場でもあるため、コミュニケーション能力やリーダーシップも必要とされるでしょう。

なぜ施工管理がやめとけと言われることがあるのか6つの理由

長時間労働で残業が多い

国土交通省の建設業働き方改革加速化プログラムによると、2016年の全産業における年間総実労働時間の平均は約1,720時間でした。これに対して建設業では約2,056時間となっており、全産業平均と比較して年間300時間以上も上回っています。

これは建設業における休日の状況として、平均4週5休しか取れていないことも労働時間が長い要因となっています。

また、DODAの90職種別の残業時間ランキングでは、3位施工管理となっており、月間の平均残業時間は31.8時間となっています。

しかし、国土交通省より、建設業の「働き方改革」が提言されて以来、建設業の週休2日の確保を実現するため、2016年は165件だった「週休2日対象工事」は年々増加しており、2019年では4,835件まで増加しています。

国土交通省は、2020年度は原則全ての工事を「週休2日対象工事」として公告しているため、労働時間は徐々に改善されていくことが予想されます。

参考:

仕事量と給与が見合わないケースがある

業務時間は基本的に7時半~21時頃がスタンダードになっています。

施工管理は現場監督の仕事ですので、朝一番に入り、現場の職人さんの業務が終わるまで現場を管理しなければいけません。

現場の仕事が終わった後は、事務所やオフィスで事務作業を進める必要もあるため、必然的に業務時間が増えてしまいます。

1日の労働時間は13時間にも及ぶのに、日本の平均給与より少し高いくらいしか貰えないといったように、仕事量と給与が見合わないケースがあるかもしれません。

しかし、建設業界でも働き方改革が進んでいます。

働き方改革によって、残業時間に上限が設けられ、給料アップ、週休2日制がさらに推進されていきます。

今後は仕事量に対して、給料や休日などの待遇が見合うようになっていくことが予想されます。

休日が少ない

施工管理は業務時間が長く、休日が少ないイメージを持っている方も少なくないかもしれません。

国土交通省が公表している「「建設産業政策2017+10」について」によると、建設業は全産業平均と比較して年間総労働時間が300時間を超え、他の産業と比べても1ヶ月多く働いている計算になります。

建設業における休日の状況は、平均4週5休となっており、4週8休は全体の1割以下、他産業では当たり前となっている週休2日もとれていない現状があります。

厚生労働省が公表している「令和2年就労条件総合調査」によると、全産業で平均年次有給休暇の取得率は56.3%ですが、建設業は44.9%となっています。全体平均より10%低いことから、有給休暇がやや取りづらい傾向もあるようです。

しかし、建設業界でも働き方改革が進んでおり、国土交通省や一般社団法人 日本建設業連合会を先頭に、業界をあげて給与アップや週休2日の確保に取り組んでいます。

特に公共工事では、週休2日交替制を原則としているモデル工事も増えてきています。週休2日対象工事の取組件数は、2016年は824件(8%)だったのに対して、2019年は8,391件(87%↗)にも増加しています。2020年には原則100%の目標を掲げ、より一層推進するための取組が行われています。

また、こうした取り組みを受けて、新たに完全週休2日制を導入する企業も少しずつ増えてきており、状況は確実に改善されてきています。

夏は暑く、冬は寒い

施工管理の業務は外での作業が多いため、天候の影響を受けやすい仕事です。

そのため、どうしても気候や天気に左右されることがあります。

事務所の外で体を動かす爽快感はありますが、夏は暑く、冬は寒いです。

雨の日は作業が休みになり、その分工期に間に合わせるために、別の日に調整をかけなければなりません。

危険がつきまとい、責任がある

施工管理は半日を費やすので、勤務時間中は危険です。一日の大半を事務所で過ごす事務職に比べ、施工管理は危険を伴う仕事です。

厚生労働省の「令和2年の労働災害発生状況を公表」」によると、建設業における労働災害による死亡者数は32.2%と全産業の中で最も高い水準となっています。

しかし、労働災害の発生件数は年々減少しており、ICT(情報通信技術)の活用も労働災害の減少に寄与しています。

ICTの活用による無人化施工技術や自動化の進展は、労働災害防止対策のさらなる向上に効果的であると期待されています。

したがって、 労働者一人ひとりが安全に対する意識を持ち続け、ICTなどの新しい技術を活用していくことが必要です。

今後、状況が改善され、労働災害の発生件数がさらに減少することが期待されています。

幅広い年齢層とコミュニケーションを取る必要がある

建設現場には、さまざまな役割を務める幅広い年齢層の作業員が集まり、施工管理はそういった人たちを管理する必要があります。

施工管理は職人さんなどへ指示出しをする必要があるため、コミュニケーションを苦手としている場合などは、やめておけといわれることがあるかもしれません。

コミュニケーションがうまくいかず、相手が何を言いたいのか伝わらなければ、思うように仕事が進まなくなることもあります。

自分より年上の人に指示を出すのが苦手な人にとっては、人間関係がつらく感じることもあるかもしれません。

しかし、施工管理の先輩たちは、真摯な姿勢で現場の声を聞き、自分なりの考えを伝えることで、現場の人たちから信頼を獲得しています。問題解決や試行錯誤に面白さを感じる人にとっては、決してつらい仕事にはならないはずです。

職人さんに敬意を払い、若いうちからいろんな人と関わることができる、みんなの力を合わせて一つのものを作り上げる、やりがいがある仕事でもあります。

施工管理はきつい、つらい?

施工管理という仕事に興味があるけれど、現場は厳しい環境で、長時間労働やストレスが多いのではないかと心配していませんか?

施工管理は建築物の品質や安全性、コストや納期などを管理する重要な役割です。そのためには、多くの人とコミュニケーションをとり、問題を解決し、責任がともなうこともあります。そう考えると、施工管理はきつい、つらい仕事だと感じるかもしれません。

施工管理がきつい、つらいと感じるのは、以下のような場面で感じるはずです。

1. 厳しい労働環境
施工現場は屋外での作業が主体となり、季節や天候の変化によって環境が大きく変わります。暑い夏や寒い冬など、厳しい気候条件下での作業が求められることがあります。また、長時間の立ち仕事や重い物の運搬など、体力や持久力も必要とされる面もあります。

2. ストレスと責任の重さ
施工管理はプロジェクト全体を管理し、スケジュールや品質の管理、予算の管理など幅広い責任を負います。プレッシャーやストレスがかかることも少なくありません。また、建設プロジェクトは多くのステークホルダーが関与し、意思決定や調整が必要な場面もあります。そのため、コミュニケーション能力や冷静な判断力が求められます。

3. 不規則な勤務時間
建設プロジェクトは工期や状況によって変動するため、不規則な勤務時間が発生することがあります。特にプロジェクトの終盤や緊急時には残業や夜間勤務が必要になることもあります。これにより、プライベートの時間や生活リズムの調整が難しくなる場合もあります。

以上のように、施工管理の仕事はきついポイントもありますが、やりがいや将来性も大きな魅力となっています。

例えば、自分の手がけた建築物が完成したときの達成感や喜びはひとしおです。また、現場で様々な経験を積み、スキルや知識を身につけることができます。さらに、施工管理は社会的にも評価される仕事であり、将来的にはキャリアアップのチャンスも広がります。

きついと感じるかどうかは人それぞれ違いがありますが、これらの課題を乗り越えた時に得られる達成感や、自分が関わったプロジェクトが形になる喜びは、他の職業では味わえない魅力とも言えます。

施工管理のやりがいや魅力はどんなところ?

施工管理のやりがいや魅力はどんなところ?

「施工管理の仕事はきついかもしれないけど、やりがいって本当にあるのかな?」と思っている方も多いのではないでしょうか。

実際に、施工管理の仕事に携わる人たちがその魅力に惹かれ、現場での実践とチームワークを通じて建物が完成する喜びなどのやりがいを感じています。

施工管理の仕事をしている方は、以下のような場面でやりがいや魅力を感じているそうです。

施工管理のやりがいや魅力
  • プロジェクトの成功に貢献する役割:施工管理は建設プロジェクトの進行を監督し、スムーズな遂行をサポートします。その責任は大きいですが、プロジェクトの成果や完成度に直結するため、やりがいを感じることができます。
  • 建築物の造形に関わる喜び:施工管理は建物や構造物の実際の形成過程に携わることができます。建築物が完成する瞬間や、自分の手がけた作品が人々に使われる姿を見ることで、達成感や喜びを感じることができます。
  • 多様なスキルと知識の習得:施工管理は建築技術や安全管理、予算管理、スケジュール管理など、幅広い知識とスキルを必要とします。さまざまな分野での経験を積むことで、自己成長が促され、キャリアの幅を広げることができます。
  • 現場での実践とチームワーク:施工管理は建設現場での実際の作業を見守りながら、工程管理や品質管理を行います。現場での課題解決や意思疎通を通じて、チームと協力しながらプロジェクトを進めることで、達成感ややりがいを味わうことができます。
  • 需要の増加と将来性:施工管理の需要は増加傾向にあり、建設業界において重要な役割を果たしています。統計データによれば、建設業界の雇用数は着実に増えており、施工管理者への需要も高まっています。

施工管理は建設プロジェクトの成功に密接に関わり、自分の手がけた建築物が完成したときの達成感や喜びはひとしおです。自分の仕事が建築物の完成に大きく貢献できる喜びを感じることができます。

また、実践を通じて経験やスキルが成長し、建設現場のダイナミックな雰囲気や仲間との協力によって、充実感を味わうことができるでしょう。

これらの魅力を感じられる方にとって、施工管理は充実感と達成感をもたらしてくれる魅力的な職業となるはずです。

施工管理に向いている人

施工管理が向いている人は、以下のような特徴が考えられます。

施工管理に向いている人
  • 技術的な知識と理解力:建設プロジェクトにおける各工程や施工方法について深い知識を持ち、技術的な問題を理解し解決できる能力が求められます。
  • 柔軟性と問題解決能力:施工現場では予測不可能な状況やスケジュールの変更が発生することがあり、冷静に対応し、柔軟な対応が求められます。予期せぬ問題やトラブルが発生した際に、迅速かつ適切な対処策を見つける能力が重要です。
  • 細部へのこだわり: 施工管理は、プロジェクト全体を見渡すだけでなく、細部にまで目を配る能力が求められます。細かい部分への注意が、全体の品質を保証します。
  • コミュニケーション能力:現場作業員や設計者、クライアントなど、さまざまな人々と円滑にコミュニケーションを取り、意思疎通を図る能力が求められます。
  • リーダーシップ:施工現場の指揮を取り、チームをまとめることで、プロジェクトの成功に貢献することができます。

以上の特徴を持つ人は、施工管理に向いている可能性が高いですね。それぞれの特徴が施工管理の業務を円滑に進め、結果的にプロジェクトの成功に結びつきます。

施工管理に向いていない人

施工管理が向いていない人は、以下のような特徴が考えられます。

施工管理が向いていない人
  • 技術的な関心や知識の欠如:建設業界や施工方法に対する関心や知識が乏しい人は、施工管理の業務に取り組む上で必要な専門知識を持っていない可能性があります。
  • 責任感の不足:施工管理は、建設プロジェクトの成功に大きく関わる責任のある役割です。しかし、責任感や使命感に欠ける人は、重要な意思決定や問題解決において適切な判断や行動ができない可能性があります。
  • リーダーシップに自信がない:施工管理者は、現場の指揮を取り、チームをまとめる役割を担います。リーダーシップの資質や能力が不足している場合、効果的なチームマネジメントが難しくなる可能性があります。
  • コミュニケーションが苦手:施工管理者は、様々なステークホルダーとのコミュニケーションが求められます。コミュニケーションスキルに欠け、円滑な意思疎通が図れない場合、プロジェクトの進行に支障をきたす可能性があります。
  • 継続的な学習や成長意欲の欠如:建設業界は常に進化しており、新しい技術や規制が導入されています。新たな知識やトレンドへの関心など、継続的な学習や積極的な学習意欲がない場合、施工管理の業務には向いていないかもしれません。

施工管理は、建設プロジェクトの成功に重要な役割を果たす職業です。適切な能力や資質を持つことで、プロジェクトの円滑な進行や品質の確保に貢献できます。自分自身の能力と志向に合った職業選択を行うことが、長期的なキャリアの発展につながるでしょう。

施工管理の将来性

施工管理の需要増加

施工管理技士は実務経験を重ねるにつれて「資格なし」→「2級施工管理技士」→「1級施工管理技士」とステップアップしていき、国家資格であることからもその需要は高く、建設現場に欠かせない存在です。

日本は少子高齢化の一途を辿っており、施工管理の人手が足りなくなることが予想されます。ですが、施工管理の仕事は大きく減少することはないため、工事の数に対して施工管理技士の供給が足りなくなるということは、言い換えると需要が増えるということです。

そのため、各建設業にとって施工管理の需要は増加していくことが予想されます。

新築の建設工事だけでなく、高度経済成長期やバブル期に建てられた建物は築30年を経過するものが多く、老朽化した建物の修繕や解体も必要とされるでしょう。高齢化によってバリアフリーの需要が高まり、リフォームやリノベーションを行うケースも増えています。

地震災害が多い日本では、仮設住宅の建設や復興工事においても需要が高まります。また、近年では豪雨や台風、地震による土砂災害、洪水による家屋の浸水などが続いており、仮設住宅や復興工事の需要が高まります。

地震災害、自然災害への危機感から災害に強い建物づくりが求められ、今後も建設需要は高まっていくと言えるでしょう。 

安全・安心で快適な街づくり、住まいづくりをするうえで、施工管理技士の存在は必要不可欠な存在なのです。

失業することがない

建設業界は、高齢化が進行し、次世代への技術承継が大きな課題となっています。

10年後には60歳以上の大半が引退され、若手の確保・育成が急務となっています。

そのため、施工管理の需要は増加していくことが予想され、失業する心配はほとんどないでしょう。

現場で経験を積み、国家資格を取得できれば、非常に安定して高い給料をもらいながら仕事を行うことが可能です。

働き方改革で給料アップ週休2日制を実現!

建設業界でも働き方改革が進んでいます。

2024年施行の働き方改革によって、残業時間に上限が設けられ、給料アップ、週休2日制がさらに推進されます。

それに加えて多くの企業では、性別を問わず積極的な採用が行われ、女性も働きやすい環境を目指して整備されていきます。

働き方改革実行計画(平成29年3月28日 働き方改革実現会議決定)
本文(建設業関係抜粋)
(現行の適用除外等の取扱)
現行制度で適用除外となっているものの取り扱いについては、働く人の視点に立って働き方改革を進める方向性を共有したうえで、実態を踏まえて対応の在り方を検討する必要がある。
建設事業については、限度基準告示の適用除外とされている。これに対し、今回は、罰則付きの時間外労働規制の適用除外とせず、改正法の一般則の施行期日の5年後に、罰則付き上限規制の一般則を適用する(ただし、復旧・復興の場合については、単月で100時間未満、2か月ないし6か月の平均で80時間以内の条件は適用しない)。併せて、将来的には一般則の適用を目指す旨の規定を設けることとする。5年後の施行に向けて、発注者の理解と協力も得ながら、労働時間の段階的な短縮に向けた取組を強力に推進する。
(取引条件改善など業種ごとの取組の推進)
取引関係の弱い中小企業等は、発注企業からの短納期要請や、顧客からの要求などに応えようとして長時間労働になりがちである。商慣習の見直しや取引条件の適正化を、一層強力に推進する。
建設業については、適正な工期設定や適切な賃金水準の確保、週休2日の推進等の休日確保など、民間も含めた発注者の理解と協力が不可欠であることから、発注者を含めた関係者で構成する協議会を設置するとともに、制度的な対応を含め、時間外労働規制の適用に向けた必要な環境整備を進め、あわせて業界等の取組に対し支援措置を実施する。また、技術者・技能労働者の確保・育成やその活躍を図るため制度的な対応を含めた取組を行うとともに、施工時期の平準化、全面的なICTの活用、書類の簡素化、中小建設企業への支援等により生産性の向上を進める。

引用:建設業における働き方改革について – 国土交通省

また、建設現場にICT(i-Construction)を導入することで生産性を向上させる取り組みも行われていきます。

測量、施工、検査、書類作成などの全プロセスにおいてICTを活用することで作業を効率化し、長時間労働の抑制や休暇の拡大等の実現を目指します。

i-Construction ~建設業の生産性向上~

① 携帯端末
(例) スマートフォンやタブレット端末等を活用して、遠隔地から現場の状況をリアルタイムで確認。

② アシストスーツ
(例) 建設現場で導入し、技能者等の作業負荷を大幅に軽減。
※ 人手を必要とする工程の効率化や、建設現場における女性等の活躍を推進する上でも期待が高まる

③ ウェアラブル端末(眼鏡型・時計型等)
(例)
・現場でのマニュアル・手順書等を見ながらの作業の効率化。
・遠隔地の熟練者による効率的な遠隔作業指示。作業負担を軽減

④ センサー類
(例) 小型、省電力のセンサーにより建設構造物の劣化状況等の情報を収集し、システムに蓄積。

⑤ VR
(例) 技能労働者の教育訓練に活用

⑥ ビッグデータによる分析
(例) 過去の労働災害の発生状況に関するデータ解析から、あらかじめ工事現場の危険箇所を抽出。

引用:建設産業の現状と課題 – 国土交通省

これからの建設工事や施工管理は、Aiや機械が仕事を手伝ってくれるので、負担が減ります。

もしかすると未来の施工管理は、ロボットの動きも監視する仕事になっているかもしれませんね。

これまでの建設業界は、3K(きつい・汚い・危険)といわれる業界でしたが、これからは国土交通省が打ち出している新3K(給与・休暇・希望)を実現するため、各種モデル工事(総合評価や成績評定での加減点)などの新たな取り組みが実施され始めています。

そのため、これからの施工管理の将来性は明るく、働き方改革で労働環境が改善され、さらに働きやすくなることが予想されます。

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